仙台市立東二番丁小学校で「触れる落語」プログラムを実施しました
2025年12月11日(木)、仙台市立東二番丁小学校にて「触れる落語」プログラムを実施しました
公益社団法人 落語芸術協会 仙台事務所のお声がけにより、仙台市立東二番丁小学校の5・6年生 約50名に向けて「触れる落語」をテーマとした授業プログラムを実施しました。
本授業は、文化庁 令和7年度「学校における文化芸術鑑賞・体験推進事業-芸術家の派遣-<東日本大震災復興支援対応>芸術飛行船」 に選定された取組の一環として行われたものです。
生の落語とユニバーサルデザイン(UD)体験を組み合わせることで、子どもたちが五感を使って落語の世界に触れる時間となりました。
■プログラムの流れ
生の落語として「桃太郎」「寿限無」を口演しました。
「桃太郎」では、まくらをたっぷりと用い、まずは純粋に物語としての楽しさを味わってもらうことを大切にしました。
一方、「寿限無」は、すでに授業で扱われていた演目ということもあり、学校側からのリクエストを受けて上演し、「学び」と「芸能」がつながる体験を意識した構成としました。
続いて、UD落語絵本制作の背景をご紹介しました。
学生時代に盲学校でボランティアとして落語を披露した経験が、落語家を志すきっかけとなったこと。
「いつか絵本を作りたい」という思いを長く温めてきたこと。
さらには、盲学校や点字図書館に3Dプリンタがあることを知り、触って楽しめる造形物を取り入れた絵本づくりに至った経緯をお話ししました。
■「触れる」体験とUD絵本
体験パートでは、代表の児童にアイマスクを着けてもらい、
ムカデ・馬・セミ・もみじまんじゅう など、さまざまな3D造形物に実際に触れてもらいました。

視覚に頼らず、触覚からイメージを広げていくこのワークを通じて、
「触れる」ことの面白さや、情報の受け取り方の違いについて、子どもたちなりに感じてもらえたのではないかと思います。
その後、UD絵本『まんじゅうこわい』の朗読も行いました。
声色や語り分けを工夫しつつ、先ほどの触覚体験とも結びつけながら、物語そのものを楽しめる時間になるよう心がけました。
■所作体験と子どもたちの反応
授業の後半では、落語の所作体験にもチャレンジしました。
手紙を書く、そばをすする、刀を抜く、お酒を飲む…といった動きに、子どもたちはいきいきと参加してくれました。
中にはアドリブで笑いを取る児童もおり、会場は和やかで、温かい空気に包まれていました。
質疑応答では、
「どうやって落語を覚えるんですか?」
「緊張しないんですか?」
といった率直な質問も多く寄せられ、落語という表現の裏側への素直な興味が伝わってきました。
■まとめ ― 「共生」をことばにせず体験する
全体を通して印象的だったのは、子どもたちが「共生社会」といった難しい言葉を使わずとも、
目の前の体験そのものを楽しみながら、それぞれの感覚の違いや、情報の受け取り方の多様さに自然と触れていたことです。

参加人数が50名ほどと、比較的少人数であったこともあり、一つひとつの出来事に集中しやすく、
特に、アイマスクを着けて造形物に触れる体験は、多くの児童にとって新鮮で、心に残る時間となったように感じました。
今後も、学校現場や地域の場と連携しながら、
「見える・見えない」「聞こえる・聞こえにくい」といったちがいを越えて、
子どもたちが自然体で笑い合える落語の体験づくりを続けてまいります。
一般社団法人 落語ユニバーサルデザイン化推進協会(RUDA)
代表理事 春風亭 昇吉